2000′ Contemporary Jazz Audio
音の良いJAZZ盤ということでイタリアのレーベル「Dodicilune & Koine」をご紹介します。
ここ1,2年で国内でも取扱いが多くなったレーベル。
他には「ObliqSound」。他には「ECM」ですが内容的にも当りハズレがありますが良いかと思います。
いずれも2000年以降のコンテンポラリージャズのカテゴリー。
下記盤のエンジニアはStefano Amerioで、世界的な評価も定まったエンジニアの一人。
他にはマイケル・ペレス・シスネロスやジェームス・ファーバー、マイク・マルシアーノもカッコよく感じます。
Francesco Saiu / Nasciri / Dodicilune & Koine

Francesco Saiu(g)
Stefano Battaglia(p)
Giulio Corni(b)
Fabrizio Saiu(ds)
リリース:2008
レビュー:Francesco SaiuのDodicilune からのリーダー盤。レーベルと編成で入手。リーダーはFrancesco Saiu(g)。
以前から感じてましたが、Dodiciluneは粒立ちのいいクオリティ感あるサウンド。オーディオシステムの調整が決まったなら驚くほど精緻なサウンドが聴かれると思います。ObliqSoundにとても近い感覚ですかね。演奏内容はディ―プな内容で好みがわかれます。親しみやすいテーマやスタンダードから展開するジャズではありません。
5トラック「Nasciri 」 演奏は相当な自由度が設定されており4人が対等なフォーマットによる演奏。
テーマがあってアンサブルしていく、もしくは練りに練ったコンポジションと言うより、即興の鮮度を録った感じ。ただし、2000年代ジャズに通底する異様なほどの内省感。動きがほぼなくて、音数も少ない中で、響きの重なり具合や音がパルシブに立ち現れる緊張感に痺れる盤(笑)。ピアノで参加のStefano Battaglia(p)もリーダー盤ではかなり癖がある人かと思うのですが、わりと封じられています。Stefano Battaglianoの一連のECM盤もある種の内省化が進みきっていて、空間に漂う音の余韻や響き(響きのなさによる闇)まで演奏として取り込む様な…….ご興味がある方は現代進行形のヨーロッパ・サウンドをチェックしてみてください。複雑な世情が反映された作品が多数表現されています。
この盤のエンジニアはStefano Amerio。この盤をはじめに聴いた時に一瞬…かな?と感じましたが、クオリティの確かさが際立つエンジニアです。たしか2011年頃で初めて聴いた時に、凄いエンジニアっぷりに驚いた記憶があります・・・ただし、これがカッコいいかどうか、好きか/嫌いは別ですが、彼が携わった盤は概ねHiFi的なクオリティ&ピュアネスは高い次元でまとめられています。そしてオーディオマニアからだけ支持されているわけではありません。録音エンジニアにStefano Amerioを指名する演奏者も多数います。この辺りのレーベル盤だとコンプレッションドライバーを使ったスピーカーでなくても演奏やパッケージングの意図は伝わるものと思います。
「Francesco Saiu / Nasciri」のオーディオ的なクオリティ感はステファノ・アメリオで、この作品の影の立役者かもしれません。
演奏曲
1.Circles
2.Palindroma
3.Songno
4.Istudiu
5.Nasciri
6.Diciannovesimo Gradino
7.Galana
8.Danza Trasfigurata
9.Linas


