
日本が誇った1970年代のトーンアーム、Fidelity Research FR-64S FR64
よくFR64Sの説明には”ステレンス鋼を採用した…”と説明されておりますが、FR64・64Sの技術的ハイライトは他にございます。
FR64Sは1976年に登場した全長32cmを超えるアームです。カートリッジのIKEDAはFRの元社長池田勇人氏が立ち上げたブランドですね(グレース社)。FR-1カートリッジやFR-24トーンアームが初期製品です。発売当時は精緻な造りやターンテーブルを超える価格から話題となったようです。64にも極僅かしか製作されなかったスペシャルモデルがございます。
これまで使用したことのあるアームはFR54,FR64Sです。64Sは重いOrtfon SPUでも使用可能で、微妙な針圧調整も簡単でした。このアームのトレース能力は高いものでした。もちろんSHURE等のMMカートリッジも余裕でトレーシング可能でした。
FR64SやFR66のアームパイプの内側にはもう一本パイプが入っており、構造としては二重パイプ構造にして、アーム本体に発生する共振を抑制する設計でした。結果的に欧米のトーンアームに比較しピュアな音質を実現しました。そのクリアな音質は現在のデジタルにも劣らないアナログレコードならではの音質に貢献します。
Fidelity Researchはダイナミック・バランス方式を日本の工作精度でクリアした。
FR64Sのダイナミック・バランス型はゼロ・バランスをとった後スプリングによって針圧を掛ける方式です。過去の同種のアームは、針圧を正確に保持することが難しいものでした。当時主流だったスタティック・バランス・タイプ(SME等)の多くはレコードの偏心がない事やターンテーブルの傾きがない事。完全水平である事等、クリアする条件が厳しい構造のトーンアームでした。
FR64Sのダイナミック・バランス方式は内部スプリングで針圧をかけます。こう書くと簡単そうですが、針圧調整が簡単にする必要があり、ガタ等はもっての他です。さらに安定的に常に一定の針圧を保持する必要があったため、一般の量産品では採用しない工作技術・精度でした。当時の発売価格もそう高くはなかったのです。例えばEMTの業務用アームもDB同方式ですが、ご使用の方は御存じかと思いますが割とアバウトです。
トーンアームはロングタイプでダイナミック・バランス方式。
当時のアームで調整幅や精度等を基準とした場合、Fidelity Research(FR社)の凄さが分かります。まず微妙な加圧調整と調整幅がまるで異なりました。微妙な音を追い求める場合やカートリッジの特性にあわせて追及できるアームでした。CDが発売された80年代にはFR64fxが登場しました。
他にはFR54という美しいトーンアームもありました。さらにFR66というロングアームも人気がございます。ここ数年はアナログレコードの復活もあり、FR社のトーンアームやカートリッジの需要がございます。
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