JBL Hartsfieldを棲まわせる三人の男達。
週末2日間にJBLハーツフィールドを鳴らし始めた方、長年同棲されている方、
これから別宅へ迎え入れる方、3人のHartsfieldに魅せられた方とお会いしました。
どなたもやりつくして、充実したオーディオ・ライフを送られています。
この3名の方のコレクションを一堂に介すれば、大型のオーディオショップができます(笑)
Hartsfieldの件で共通しておっしゃっていた事がありました。
『正しいものじゃないが……….』

好きな音が鳴る。そして『一生モノ』になるかもしれない。最後に『・・・・もう、次はないかも』。
たしかにJBL ハーツフィールドは現代HiFiオーディオの文脈からは遠く外れたコンセプト。なんたって基本思想は1940年代のモノラルコーナーホーンを引きずっています。だからと言って音が古いとか両側から音が出る等の先入観は野暮。1940年代の音響工学は高度で現代のIT以上の資本が投下されています。しかし、導入するにも部屋から考える必要を迫られますので、ちょっとした厄介を招くモノ。
ヴィンテージスピーカーはWESTERNやWESTREX、励磁型スピーカーetc、深い世界はまだまだありますが、JBLハーツフィールドはギリギリ現代生活と辻褄が合わせられて、過去~現代音楽の時空においてそれなりの折り合いがつきそうです。そして、Hartsfieldは道楽の最後を『粋』にながく楽しめるスピーカーの最右翼。
はっきり言うと、音は正しくないし(鳴らすのが難しいスピーカー)、リビング等では大きいのでご家族や奥さまには少々不評?良い部分は有りすぎて、1点のみ言うと、スピーカーとは思えない若々しいModernデザイン!建築家が造った家具や住宅の中でも充分以上に通用します。JBLパラゴンも同じく超イタリアン・モダンな空間でも和モダンの中でも成立します。しかし、単なる薄っぺらい家具が傍にあるとその家具が貧弱に感じるもので、無粋なオーディオラックも置きたくなくなります。薄っぺらくても合うモノもあります(笑) オーディオがクールにキマっていると居室空間が俄然輝いてきます。まさにLIFE
音は…………一般的には正しくなく、荒々しく、そして気貴くもナイーヴ。なんとなしに青春の影すら感じるのがJBL Hartsfield。
もしも独身20~30代前半の方が好きな女子を自宅に招くので、JBL Olympus(Hartsfieldでもいいですが….)とカッコいいサイドボードを買いたい、とヨコシマな動機で試聴を希望したら、超サポートします(爆)音楽はヨコシマな動機から、艶っぽいところから楽しむ事もありです。おそらくJBLオリンパスを高さを揃えたヴィンテージ・ボードとセットしているだけで男っぷりが上がります!
但し薀蓄はNGです。何年製で、格子柄が云々,JBL375がどうしたとかに女子はまったく興味がありません。じっくり選んだ素敵な音楽をかけて、聴くだけで貴方と彼女の距離はぐっと縮まるはずです。何も音だけを追いかける事がオーディオではありません。
なにやら思い入れたっぷりですが、ある方にとってはそれがTANNOYであり、VITAVOXであり、WILSON AUDIOかもしれないしMAGICOなのでしょう。十人と色でなんと言われようと、孤独という贅沢を楽しめる相棒が早くしっかり見つかればシメたものです。
なぜなのか、JBLハーツフィールドという極めて珍しいスピーカーが今年の8月頃から11月まで入れ替わり立かわり4,5セットやってきました。かなり多くの方が聴かれたと思いますが、ある方は『ウーファーから音は出てますか?』と、セットアップが難しいものでオリンパスの方が豊かな土台の上に音楽が構築されていました。すべて設置ができないためお客さまのご自宅に置いて頂き、ご案内したハーツフィールドもありました……..11月後半からは多少落ち着いた環境でご案内できるかと思いますので、ゆっくり聴きたいと思われましたらAudio Dripper TOKYOまでご予約ください。
今後Hartsfieldにまみれる機会は訪れないでしょうが、一生分のHartsfieldを見聴きしたかもしれません。
真贋などご協力を頂いた方々、誠にありがとうございました!


