JBL4350 The エンタテイメント・モニター
70年代に日本のオーディオ界を一世風靡した、JBLブルーバッフル・スタジオモニター機のデビューモデルはJBL4350です。
その魅力はモニタリング・モニターというよりもマスタリング工程まで終わった最後のプレイバックを劇的に表現するモニター。

1970年代、音楽シーンの変化。
初代4350はグレー・フィニュッシュでバッフル面はブラック塗装でした。突板にブラック・バッフルというモデルもありました。搭載ユニットは2231A(15インチウーファー2発)と2440(10cm口径のダイヤフラム)、2202(12インチミッドレンジ)、2405ツイーターを核としたマルチアンプ・システムです。スタジオモニタリングというよりはプレイバック・モニターとしてレコード会社では発売前の最終確認やプレゼンテーションとして使用されていたと言われています。JBLオリンパス S8Rをワイドレンジ化した構成とも言えますね。



Audio Dripperにも4350と散々格闘したスタッフがいます。最初はブルーバッフルの4350WXから4350ASF(米松バッフル・モデル)と入れ替え、最終的にはJBL2395と375のバブルバックモデルやベークライトモデル等やAltecの巨大ホーン、フィールドコイル式のユニットまで使用した履歴があるとか。ユニットだけでも20発以上のストックがあったそうです。駆動アンプも各ユニット直結としたため8台のパワーアンプが必要だったようです。
巨大なバッフルと短いホーン、重いウーファーを鳴らし込む事は並大抵ではありません。ハイプレッシャーで密度感を出すシステムとしてはいまだに底知れない魅力があります。音楽カテゴリーにとらわれない懐の深さも魅力があり、迫真の演技をさせたら右に出でる者がいない名優といっても良いかもしれません。



JBL4350はあらゆる音楽ジャンルの垣根を越えて挑めるThe エンターテイナーです。
※4350のサウンドは、音場の奥深くに陽炎のようにあらわれる陰影感や音の機微や気配というより、ソリストが1歩、2歩、、、3歩、4歩と気がつくと目の前にで烈火の如きブローがさく裂しボディ・ブローが決まる場合があります!
BlacK Soul Power Sound !
先日買取ご依頼で来られた、お客さまとゴリゴリサウンドを鳴らすシステムを妄想しましたが、端正なスピーカーやシステムだけでは演奏者の熱が再現しきれないLIVE盤もあります。現在では既に倉庫で埃をかぶっているかもしれないJBL4530バックロードホーンや175DLH、375や075、130Aなどを思いっきり熱く鳴らすシステムも楽しいものです。さらに2445Jなどのエッジが濃い音も80年代以降の録音には悪くありません。
Altecのユニット604,605などの同軸型を盛大に箱を鳴らして楽しむ事も私的な楽しみです。A7の511Bもツボに嵌れば楽しい音がいたします。なにも測定器で図ったアキュレートな音が楽しいわけではありません。心の底からグルーヴできる音であればそれがどんなバランスであろうといいのです。正しい正確なものはお金で買えますのでいつでも誰でも実現できます(苦労します・・・)。心にアキュレートなサウンドは、自分で追い求めるしかありません。人も個性があるから面白いわけで、突き抜けた個性ならOKです(笑)
私達が若き日はユニットを組み合わせ、アンプが作れる場合は作っていました。回顧趣味ではなく、オーディオが刺激的だった時代の音に触れるシステムを構築する事も趣味ならのコトです。古いオーディオで我が道を突き進んでも、最先端の極限的に精緻極まるハイエンドな音でも、その核心は変わらないはずです!・・・・両方楽しめる贅沢も趣味ならではですね。Audio Dripperは2匹追いたいスタイルです(できれば2セット目を入れる場合は部屋は変えましょう)。
【JBL4350 楽しみ方メモ】
・JBL4350を調整する幅は多数ありますので書ききれません。選び方ですが4350ASFというグレーフィニッシュのモデルはバッフル板が25㎜厚の米松材を使用しています。箱鳴りもしますが共振ピークが突出している音ではありません。最終モデルの4355は2441、2405以外はフェライトユニットとなります。強固なキャビネットとネットワークの設定がより洗練されたそうです。
2231Aダブルウーファーについて
・4350の特徴は、ウーファーのm0が120gを超える重いコーン紙を使っている事です。D130系は55g~65gと半分ですので、4350のウーファーはより低い周波数をリニアに表現するために選ばれたユニットであることがわかります。D130系の引き際の軽さ・速さよりも、上手く鳴った際は、原音さながらの低域の基音&倍音まで再現可能と思わせる迫真性があります。
・この22331系のユニットが本気で鳴り始めた時は、空気の波動としてバッフル面や床の底から揺れるような「圧」を感じます。この15インチユニット2発の振動を抑え込むことは現実的ではありません。片側2発で260g、左右CHで520gのコーン紙を電流で動かし、止めるわけです。物理的に相当な覚悟と気合いが入ります。また時間も必要です。
・2発の15インチから締りのないファットな音が出るかというと、そんな事はありません。ウーファーのみを専用アンプで駆動できますので、ソリッドで明快な上にブーミーさも表現可能です。空気が揺れるような音が苦も無く出るのが4350です。現代ハイエンドスピーカーのコンセプトとは対局となりますが、当時の時代が求めたサウンドとも言えます。音楽もアコースティック楽器主体な演奏から電気音楽やシンセが登場してきた時代のワイドレンジ感をプレイバックするモニターが4350というポジションという事です。
・本来は1π空間が基本となるスピーカーですので、床からウーファーを放す事で多少は床の影響を少なくする事が可能かもしれません。ご自分の物として悪戦苦闘された方なら御存知ですが、床の構造によっては袴だけでも大丈夫です。これで上手くいけば、駆動するパワーアンプが弩級なものでなく、重量級程度でも底知れない程の空気の揺れが体感できます。ところが一般的な床構造の場合は苦労します。その場合はスタンド高で逃げた分をパワーアンプでがっちりと制御します。2231Aのウレタンエッジが朽ち果てる間際は想像を絶するローエンド聴くことができます。例えると地獄の底から揺さぶられる様な音です。それが正確な再生かどうかは別次元となります。
2441、2405他ユニット
・4355からはミッドハイが2441となります。こちらはJBLアルニコユニットの中でも賛否がわかれるユニットの代表です。これまで単体として比較しました4,5ペアの2441で375よりも魅力的な音を聴いた事がありません。エンクロージャの補強は初期型よりされています。特に奥行き方向の補強が目立ちます(生産モデルによって変わります)。JBL 4350A・4350WXAまでがフルアルニコモデルです。
楽しみ方 チャンネル・ディバイダー
・4350はアンプ2台とチャンネルデバイダ—が必要です。クロスディバイダーはJBLが純正となりますが、Krell KBXやMark levinson LNCなどが人気がありました。いずれもボード挿入式です。ただしこの時代のディバイダーはユニットのタイムは合わせられませんので、4ユニットマルチとされる方もいます。JBL社の推薦設置位置はタイムアライメント上、2405が外側となります。2441のレンズは外しません。
・パワフルな臨場感に精緻な音場感も求める場合は、ルームアコースティックも無視できません。さらには全ユニットのタイムアライメントをmm単位で調整できるデジタルデバイダ—で合わせてあげると、精緻な音場の表現も追い込む事も可能です。2405と2440のボイスコイル位置を計りその数値差をデバイダーへ設定し、㎜単位で左右CH、各ユニットのボイスコイルを揃えると、昨今のハイエンドスピーカーにも劣らないサウンドステージがリアル・サイズで、しかもリアル・エナジーで再現できます。
・JBL社のユニットにあるシルバーリングはボイスコイル位置を揃えるためにあります。全ユニットの動作点が同じですからフルレンジユニットと原理的には同じですので、後はセッティング調整&調音します。ここまでやりますとボイスコイル設定位置の2㎜の違いまでわかるようになります。エンクロージャだけはどうにもなりませんので、時間がかかります。
大型ホーンへの変更
・位相差からフリーとなれば、JBL社の2395ホーンや2350ホーン等のドライバー(ボイスコイル)がスピーカー後端に位置する場合でも大型ホーンを使ったシステムが視野に入る構成が楽しめます。この先は375や2440を4個用意し、2350にダブルスロートを装着し、片側に2インチドライバーを2個使っても面白いです。2395にはJBL社のダブルスロートは使用できません。開口とスロートを逆にすれば装着可能ですが、絞りが入るため通常よりも音が細くなります。
・上の写真のマルチホーンにはJBL375が2個付いた状態です。左右チャンネルで1,000~2,000人規模のホールを満たすエネルギーとなります。家庭内では300Hzからでも余裕な図太さが楽しめます。クロス設定は大幅に変わりますが、ここまで来るとセオリーは気にせずやるのみです(笑)。2231を250HzでクロスさせたJBL社の見識は高く、デジタルデバイダーで様々な周波数を試しましたが、230Hzか250Hzとなりました。チューニングされた場合でも、いつでも純正状態で確認できる事が重要です。中身やネットワーク定数、配線を変更する必要はありません。
・4350を設置する部屋の広さですが、10畳間程でも大丈夫ですし、40畳程でも狭く感じます。ルームサイズ以上に床面や壁面、余分なスピーカーを設置しない等の基本的な事や、特に天井などから嫌な響きや固有のピークが立たない事が重要です。音量が出せる環境である事もポイントです。基本設計年度の古い2202や2440はある程度の音量を出していくといきいきとします。
・4350は1年や2年で理想の音が出ることは少なく、やはり悪戦苦闘を楽しめないと鳴らせません。息抜きや耳の補正を兼ねて、筋のいいスピーカーを1セット傍らに置いておくと格闘しがいがございます。
ほんの走り書きです。
2020.11.8 JBL 4350 AWXが入荷しました
JBL4350ASF 買取 保証価格¥800,000~
JBL4350AWX 買取 保証価格¥860,000~
JBL4355WX 買取 保証価格¥900,000~
情熱をかけて鳴らし込まれてきた、生きた個体に限ります。粗雑に扱われて来た4350、4355は買取いたしません。
※目立つ傷等がない動作品。当日現金で増額分もお支払いたします。
Lansing Manufacturing Version / Shearer Horn
15XS(4)・284(2) システム・マルチセルラホーン・シャーラーホーン ~¥10,000,000
15XS(2)・284システム・マルチセルラホーン・シャーラーホーン ~¥4,500,000
励磁型ユニット&WING付属 ユニット単体ペアもご相談ください。
Lansing Manufacturing Iconic
812・801・815システム・マルチセルラホーン ¥1,800,000~ ¥2,200,000~
励磁型ユニット付属
JBL D1005
D130B(2)/D175H/C1004 ¥1,600,000~ ¥1,800,000~
約60年前のスピーカーですので仕上げ・左右・状態により買取価格は大きくUPいたします。
JBL HARTSFIELD D30085 ハーツフィールド
最初期¥3,600,000~ 初期¥3,100,000~ 後期1st (150-4C)¥2,500,000~
後期モデル¥2,400,000~
約50~60年前のスピーカーですので仕上げ・左右・状態により買取価格は大きくUPいたします。



JBL PARAGON D44000 パラゴン
初期¥2,200,000~ 中期¥1,600,000~ 後期¥1,400,000~
メトロゴン(~¥1,200,000※ユニットによって変わります)、ミニゴン(¥280,000~)
JBL Olympus S8R オリンパス
初期エンクロージャ 60万円~ 後期50万円~
状態やユニット、付属書類有などで買取価格がUPします。Sovereignも同等です。
JBL Olympus Delphi オリンパス・デルフィ ¥200,000~(状態良)
JBL Olympus S7R オリンパス ¥340,000~
Sovereignも同等です。
JBL C36,38(030システム) ¥220,000~ 最初期(16Ω)¥280,000~
001システムは上記に¥40,000プラス(各種フラットバック・ユニット等は別途加算いたします。)
JBL C37,39システム ¥380,000~ ¥520,000~
JBL HARKNESS C40 ハークネス(130A,175DLH) ¥425,000~
JBL L88 NOVA ¥60,000~
JBL Bel Aire D42020 ¥240,000~
各種ヴィンテージJBLシステムを買い取りますのでご相談ください。



■JBLホーン買取参考額
537-500 ¥280,000~(印字ラベル)
537-500 ¥240,000~ AMPEX/WESTREXモデル ¥240,000~
537-512 ¥180,000~
537-509 ¥120,000~
HL88(蜂の巣 楕円マークモデル) ¥160,000~
HL90(2395 楕円マークモデル) ¥160,000~
H89(楕円マークモデル) ¥100,000~
※白丸ラベルモデルは上記の8割です。
■JBL375買取参考額(ペア)
WESTREXモデル ¥300,000~(本物)
HUMPBACK・バブルバック ¥300,000~(本物)
375ベークライトプレート ¥170,000~
375通常モデル ¥120,000~
375後期 白ラベル¥100,000~
※各年代毎の蝋付け跡があるものはプラスになります。
■他JBLユニット買取参考額(ペア) ※振動板はオリジナルです(リコーン品も可です)
D101 ¥300,000~
D175H1000 ¥250,000~
150-4C(16Ω) ¥200,000~
150-4H ¥80,000~
D130 フラットバック ¥140,000~ エア抜きなし ¥160,000~
D130(16Ω) ¥75,000~
初期175DLHグレイ ¥140,000~ フラットタイプ ¥150,000~
075(16Ω) ¥70,000~ 075(8Ω) ¥40,000~
LE15A/B ¥50,000~
※上記SNが大きく離れているユニット20%ダウンします。連番はUPします。
■JBLプロ用ユニット
2440 ¥65,000~
2441 ¥60,000~
2231A ¥50,000~
2215B ¥50,000~
K-145(15インチ・アルニコモデル) ¥80,000~
E145 ¥60,000~
D130F ¥50,000~
JBLシステム、アンプも高価で買取いたします。
■JBLスタジオモニター 買取保証価格(状態良の場合は下記の20%UPとなります。)
JBL4320 ¥165,000~ 最上¥200,000~
JBL4333A ¥180,000~
JBL4344 ¥280,000~ 状態良¥300,000~ 最上¥350,000~
JBL4343a ¥230,000~ 状態良¥260,000~ 最上¥300,000~
JBL4344MK2 ¥400,000~
JBL4348 ¥480,000~
JBL 4310 ¥120,000~
JBL 4311A ¥80,000~
JBL 4311 WXA ¥80,000~
JBL 4312A ¥65,000~



プリアンプ・パワーアンプ・プリメインアンプ 中古買取価格
JBL SE400S ¥180,000~
JBL SE401 ¥130,000~
JBL SA600 ¥180,000~
JBL SG520(プリ) ¥250,000~ 最上¥300,000~



※他モデルも上記の買取価格をご参考くださいませ。
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