マスタリング・スタジオ、エンジニアのお客さまの鬼耳。
STUDER D731入荷とレストアA730、通常整備A730、LINN CD12 レビュー。

外観は傷だらけのSTUDER D731。中身や個体履歴はスペシャルなブツ!
Audio Dripperのお客さまの3割の方は、音楽を制作されるエンジニアの方や有名なスタジオ・オーナー様です。皆様が日頃親しまれているディスクを制作されている方々も多数いらっしゃいます。音だけで仕事をされているプロ中のプロですね。
個人で保有されている物やスタジオで定期的にメンテナンスされてきた物。純正品では物足りなく、作りたい音楽を生み出すためにチューニングされた機器。入手されてから箱から出していない機器など、現物を見るまでわからない事が多いのですが楽しみです。
マスタリングエンジニアの方の耳
何度かご依頼頂いているマスタリング・エンジニアの方がみえられた時に買取せて頂いたD731と当社在庫のA730(フルレストア品、通常整備品)、LINN CD12 24BIT(お客さまお預かり品)を聴き比べしました。スピーカーは非売品のJBLとRCA LC1-Aも比べました。この方はJAZZ等のアナログ・レコードのマスタリングも手掛けられています。
ここでは個別の音は詳しく述べませんが、ディスク制作側からの聴き方は精緻かつ的確で、ジャズのディスクの場合はある楽器の音の録り方から、マイクの位置や種類、デジタルでの加工などの違いを各CDプレーヤーやスピーカーのキャラクターの違いから聴きとられるようです。
例えば「ある楽器のリバーブ長めな処理」の表現は残響時間がCD12では正確ですが、若干スリムな傾向、ニュアンスが豊か。A730通常整備品は、明らかに個体特有の倍音がリバーブ以上に載るため画一的になる可能性がある。レストア版のA730は音が太くコンプ(圧縮)をかけたような音ノリが良く、一般のA730とは明らかに別格、といううれしい評価でした。
D731 は東京の有名なSTUDER整備会社さまで整備されたものです。個人的にはとても良い音でD731というプレーヤーを見直しました。フューズをスローブロータイプに替える事で明らかに音の躍動感に差がでました。A730でも同様です。



私的に好きなD731。
D731はレストア版のA730と比較すると若干細みですが、音の粒立ちやセパレーションがとてもよく、抜けも良い音です。トレータイプとなり世代モデル差もあるかとは思いますが、D731も古いSTUDERです。さすが老舗整備会社さまが手を入れられたD731です。何もしていないA730や通常の修理上がりのA730ですとD731の後ではモヤ感が残るかもしれません。ワイドレンジでありながら音の密度が薄まらないトレータイプのSTUDER D731です。これを聴いてD731の買取価格をアップしました(今後、整備内容によりUPします)。
こちらのD731の天板などに傷が多数あり、Audio Dripperでは超傷アリ品となります。天板の深い傷等は修正後、焼付ブースで新品同様まで仕上げる事も可能です(別途)。個体履歴もしっかりしていますのでお得です。
プロのスタジオ環境や機器は大したことない、という一般リスナーの方もいらっしゃいますが、その環境はピンきりです。てっぺんで制作されている方々の耳は図抜けた精度で曖昧な評価はされず、録音現場からマスタリング作業の工程から、音の在りようを比較するようですので的確です。機器への愛情は、てっぺんのオーディオファイルの方々と変わらないこだわりです。
傷が多い外観CランクのD731ですが、音はSTUDER往年の魅力を放つものです。著名スタジオではDCSも使用されましたが、多くの現場でもSTUDERは現役です。有名なエンジニアのプライベートマシンでもA727,A730,D731等のSTUDER機は「音楽」を聴くプレイヤーとして活躍しています。
・・・売れないRCA LC1A –; ですが、聴かれた瞬間「本物だ」と言われました。音楽が鳴るスピーカーという意味だそうですが、制作者側の意図を含んで、なお高い音楽性を感じさせるそうです。現在Audio Dripperのヴィンテージラインはちがうスピーカーですが、RCAをリファレンスにするべきか悩んでいます。
【中古】 STUDER プロCDプレイヤー 在庫
2016年10月3日 A730 フルレストア1台、整備前1台、D730MK2 1台、D731 2台在庫


