英国ヴィンテージ・スピーカーの底力と包容力

英国ヴィンテージ・スピーカーの底力と包容力。

 

GW明けから連日の買取と納品が続いており、誠にありがとうございます。

予期せぬお客さまとお会いできる事が大きな楽しみの一つです。

先日連泊でお伺いさせて頂いたお客さまは専門誌などでも登場する方でした。

人生を駆けたオーディオと言っても言い過ぎではない音を聴かせて頂きました。

音は各人各様な趣きがあるもので、スケールや体脂肪計のような確たる定規や指数はありません。

 


 

 

お伺いした専用リスニングルームにはハイエンド・オーディオの名機とヴィンテージ・オーディオの名機が心地よい緊張感を奏でる空間。1機種、1機種、アクセサリー1つで最上級からそれなりのクルマが購入できる機器達。数メートルにも及ぶバックロードホーンを隠し持つ、優雅なイギリスのヴィンテージスピーカーからは一度たりとも聴いた事のないリズムの躍動感は見事でした。そのスピーカーの音や構造を熟知されている方なら意表をつかれる音。半世紀前の設計者も予測していない音楽です。フロントホーンとの一体感も楽器のような響きが広がります。その方のアプローチは全方面から精緻で正統的に理想を追い求めたもので機器の選択も妥協を一切感じさせないアイテム。

たった一つのユニットでどんなに音が重なってきても見事に分解する様はなまじ聴ける音ではない事は狂おしいまでに知っています。昼は良妻賢母、夜は・・・の例えが適当か否かわかりませんが予想を裏切る2面性。

 

オーディオにも人生にも変わり目、節目があって、乗り越えたり下ったり上がったり、選択し続けていくしかありません。
会社や社会の付き合いの中で自分の心の内側のその内を見せる事は気恥ずかしさや関係性の重さに繋がらないか気配りしすぎますが、オーディオというフィルターを介したなら、その気恥ずかしさも少しは軽くするフリができます。

先日聴かせて頂いた音は忘れる事はありません。私たちが仕事をする事で二度と聴けない音。買取屋なら忘れてはいけない音。私たちがオーディオのプロフェッショナルなんて事はおこがましくて言えません。変わり目節目を僅かにサポートさせて頂くだけ。

次に聴かせていただく機会が訪れる事を心願しつつ帰路へつきました。


 

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